漫才師二人組の珍しくも愉快な百合(?)ストーリー。
★あらすじ
ヒトミ、27歳、身長180cm強、アパートで一人暮らし、職業:弁当屋のバイト、独身。 アカコ、28歳、チビで横に広い体型、金持ちの娘だけど一人っ子、独身。
生まれも育ちも性格もまるで違うこの二人が、ある日ひょんな出来事から運命(?)の 邂逅を果たし、日本一の漫才師を目指すべく、一躍スターダムにまでのし上がるサクセス・ ストーリー… だったらよかったんだけど、初舞台はまるで受けないし、酔って絡んでくるセクハラ先輩 漫才師をグーパンチ一発でノックアウトするし、金はないし、彼氏はいないし、電車代を けちるほど貧乏だし、唯一の移動手段といったら10年前から乗ってるボロ自転車だし…
いい歳こいてダメダメな人生裏街道まっしぐら…と思いきや、タフな二人はめげません。 だって隣にゃ相棒がいるもん。 こいつがいるから、あたしがいる。多少のヘタレもなんのその。取って魅せます、笑いの 華を♪
本屋さんにいると、時々『百合レーダー』なるものがピピッ!と働く時があります。 背表紙を見ただけなのに、なんとなく手に取って、そのまま戻せなくなるような。
で、今回の『笑う招き猫』も同様で、なーんの前知識もなしでいきなり手に取って、 「やっぱ違うかな」と思って戻そうとしたら、積まれていた本が崩れてなんだか 「戻すな〜」と全力で訴えかけていたようなので、そのままレジに持っていきました(笑。
大して期待もしなかったのですが…これがなかなかのヒット! 漫才の場面もあるけど、漫才自体はあんまりおもしろくないです(笑。 それよりも、ふたりの日常の掛け合いが漫才そのもの。なんというか、いい凸凹コンビだなと(^^。 お調子者でなにかあるとすぐ大口を叩くアカコへ、冷静だけどやや気弱な部分もあるヒトミが つっこむ、その阿吽の呼吸が楽しかった。
ふたりの周囲にもどこか変だけど魅力ある人間たちが大勢出てきます。 アカコと血の繋がらない祖母の頼子さん。 まるでヤーさんにしか見えないちょっとスケベエな社長。 アカコに「デブヨシ」と呼ばれている笑わないマネージャー。 元自衛隊でいまはメイクアップ・アーティストの白峰。 女房に逃げられ三つになる娘を抱えているのに呑気な乙さん。 みんなどこかズレていて、真剣なんだけど、それゆえにおかしい人ばっか。
特に頼子さんはかっこいいバアサンですねー。歯に衣着せぬ物言いをするけれど、ちゃんと アカコとヒトミを見ている。こう、背筋にスッと一本筋が通っている、昔気質の人。
あと、白峰はガタイがごついくせに妙にくねくねで、「ビィィィューティフル」を連発するおっさん です。メイクの腕は一品だし、50近い野郎のくせにこの突き抜けた感じがいい(笑。 (ちなみにこの人のセリフを読む時は「グレンラガン」のリーロン役をつとめる小野坂昌也さん の声を当てて読んでました)
だけどなんですね、基本的に笑える話なんだけど、笑えない話もいっぱいある。 乙の娘のエリちゃんがまだ3歳なのに周囲の大人へ気を使ってしまうことだとか、 アカコの母の死の話だとか、コンビを組む前は会社でいじめられていたヒトミとか… シビアな現実がところどころに顔を見せ、思わずいじましくなったり、それゆえにまた笑えたり。
バタくさくて脂っぽい話だけど、この話に出てくるふたりの女は、実に爽快です。 ベタベタと変に甘えたところもないし、時には相手を傷つけてしまう。 お金の貸し借りも安っぽい馴れ合いもないけれど、それでいて絆が強い。
アカコとヒトミがこれから売れっ子になるのかどうかはわからない。 一時期売れたとしても、乙のように飽きられて客のほとんどいない場末の劇場で演技をする ことになるかもしれない。 将来の保障なんてどこにもない世界で、けれど逃げないふたり。 なぜって、ふたりで漫才をすること以上に幸せなことはないから。
これって、ある意味究極の百合(の一種)かもしれないなあ〜…と思っちゃいました。
ふたりの抱える問題って、ぼくにも切実な部分があって、この先ずーっと才能(あったらですが) を認められずに小説とか続けてられるかなー、でも書いてる時が一番幸せで評価は二の次な 気もするしなー、でもでもヨボヨボのジジイになっても書いていられるかしら…と。 まあ、書くと書かないとでは翌日の気分が違いますので、今のところ手放せる状態ではないですし、 それ以上の幸せとかってちょっと想像つかないので…
♪野を越え山越え越えてしまった不惑の歳 暗い顔でジョーシキ人をやるよりも ちびちびお話書きたいと 心を決めたその日から caracolは物書き(仮)になりました あなたのキスより妄想のエッチ(殴 それがわたしのしあわせなのよ(←ホントか!?) しあわせなのよ しぃあぁわぁせぇなぁのぉよぉぉぉ♪
はい、みなさんごいっしょに。
ビィィィユーティフルゥゥゥゥ!!!
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